2024年度よりLINEみらい財団との共同研究として取り組んでまいりましたSNS上の誹謗中傷防止を目的とした情報モラル教材を2月10日に公開いたしました。
本教材では,子どもたちが誹謗中傷の加害者や被害者になることを防ぐため、ネットコミュニケーションのリスクを上手に見積もる力を身につけることをねらいとしています。主な教材のポイントは以下の3点です。
ポイント① ネット上の発信リスクをグラデーションとして捉えさせる
ネット上で書き込みを行う際に,この内容や場所だから絶対に大丈夫と判断するのではなく,かけ合わせ方によってリスクが変容することについてワークを通じて考えます。明確な基準があるわけではなく,シチュエーションによってリスクはグラデーション的になることを知り,リスクの見積もりの大切さを体験します。
ポイント② 悪質な書き込み被害に対する投稿基準や対応の目安の提示
SNS等で悪質な書き込みの被害を受けた際に「大人に相談する」と理解しておくだけではなく,どんな被害であれば誰に相談するかを具体的に考えるワークを取り入れています。また,SNSにおける投稿基準も提示することにより,感じ方だけではなく,ネット上のルールを理解することにもつなげます。
ポイント③ 加害者と被害者だけではなく、周囲の要因によるリスクの変化を踏まえた見積もり方
ネット上の誹謗中傷を防ぐためには,「加害者」や「被害者」としての適切な行動だけではなく,傍観者や観衆のような「周囲から見ている人」による影響も考慮する必要があります。本教材では,周囲の要因によるリスクの変化を学ぶとともに,これらを考慮したリスクの見積もり方の重要性について扱います。
昨今,SNS上の誹謗中傷の問題が深刻になりつつある中で,子どもたちにもネット上でのコミュニケーションを適切に行う力が求められています。学校現場や家庭ではなかなか教えにくいこうした問題に対して,大人と子どもが考える一つのきっかけとしてご活用いただけますと幸いです。
教材につきましては,LINEみらい財団のHPより無償でダウンロードいただけますので,以下をご参照ください。