ホーム » 研究成果

研究成果」カテゴリーアーカイブ

共同研究成果

ネットの書き込みに対する上手なリスクの見積もり方を考えよう
(LINEみらい財団×酒井研究室)

GIGAワークブック2024 活用サイト
(LINEみらい財団×酒井研究室)

SNSによる社会への発信を考えよう
(LINEみらい財団×酒井研究室)

地域で考えるスマートフォン・SNS活用講座
(LINE株式会社×酒井研究室)
SNSの上手な使い方を考えよう
(LINEみらい財団×酒井研究室)

書籍刊行のお知らせ

この度,「Society5.0時代における情報モラル教育の理論と実践-リスクへの「自覚」と「対応力」の育成を目指して-」を刊行いたしました。
本書は,昨年度で完了した科研費の成果として静岡大学の塩田真吾先生に共編著者として携わっていただき,静岡大学の先生や先輩,後輩,常葉大学の学生の執筆協力を賜り,多角的な視点からこれからの情報モラル教育のあり方について解説した内容となっています。
ますます情報化が進む中で,本書が少しでも子どもたちの情報モラルのリスクを考えていくための一助となることを願っております。

詳細については,以下のムイスリ出版社様のリンクをご参照ください。
http://muisuri.my.coocan.jp/

 

Society5.0時代における 情報モラル教育の理論と実践―リスクへの「自覚」と「対応力」の育成を目指して―
酒井郷平/塩田真吾 編著

Ⅰ.理論編
第1章 これから求められる情報モラル教育とは/第2章 行動変容を意識した情報モラル教育のアプローチ/第3章 情報モラル教育とルール /第4章 AI と情報モラル教育/第5章 子ども・教員を対象とした情報セキュリティ教育/第6章 情報モラル教育と余暇/第7章 情報モラルを組織的・体系的に進めるために

Ⅱ.実践編
第8章 小学校高学年を対象とした保護者参観における授業の実践/第9章 中学生を対象としたタイムマネジメントの力を育む授業の実践

 

LINEみらい財団との共同研究による誹謗中傷防止教材を公開

2024年度よりLINEみらい財団との共同研究として取り組んでまいりましたSNS上の誹謗中傷防止を目的とした情報モラル教材を2月10日に公開いたしました。


本教材では,子どもたちが誹謗中傷の加害者や被害者になることを防ぐため、ネットコミュニケーションのリスクを上手に見積もる力を身につけることをねらいとしています。主な教材のポイントは以下の3点です。

ポイント① ネット上の発信リスクをグラデーションとして捉えさせる
ネット上で書き込みを行う際に,この内容や場所だから絶対に大丈夫と判断するのではなく,かけ合わせ方によってリスクが変容することについてワークを通じて考えます。明確な基準があるわけではなく,シチュエーションによってリスクはグラデーション的になることを知り,リスクの見積もりの大切さを体験します。
ポイント② 悪質な書き込み被害に対する投稿基準や対応の目安の提示
SNS等で悪質な書き込みの被害を受けた際に「大人に相談する」と理解しておくだけではなく,どんな被害であれば誰に相談するかを具体的に考えるワークを取り入れています。また,SNSにおける投稿基準も提示することにより,感じ方だけではなく,ネット上のルールを理解することにもつなげます。
ポイント③ 加害者と被害者だけではなく、周囲の要因によるリスクの変化を踏まえた見積もり方
ネット上の誹謗中傷を防ぐためには,「加害者」や「被害者」としての適切な行動だけではなく,傍観者や観衆のような「周囲から見ている人」による影響も考慮する必要があります。本教材では,周囲の要因によるリスクの変化を学ぶとともに,これらを考慮したリスクの見積もり方の重要性について扱います。

昨今,SNS上の誹謗中傷の問題が深刻になりつつある中で,子どもたちにもネット上でのコミュニケーションを適切に行う力が求められています。学校現場や家庭ではなかなか教えにくいこうした問題に対して,大人と子どもが考える一つのきっかけとしてご活用いただけますと幸いです。

教材につきましては,LINEみらい財団のHPより無償でダウンロードいただけますので,以下をご参照ください。

教材の詳細・ダウンロードはこちら

LINEみらい財団との共同研究による教材リリースのお知らせ

LINEみらい財団との共同研究として取り組んでまりいました情報モラル教育教材「SNSの上手な使い方を考えよう!」について,本日リリースされましたのでお知らせいたします。

本教材は,
①児童・生徒のトラブル実態にあわせてアレンジ可能な教材
②「リスクマネジメント」と「クライシスマネジメント」の視点
③学習者に「トラブルの当事者になりうる自覚」を促す
の3つのポイントから開発を試みました。

教材の内容は全7つのテーマ&ワークから選んで使用していただくことが可能です。
ぜひ,子どもたちの実態に応じて,日常の情報モラルのご指導にお役立ていただけますと幸いです。

なお,教材の詳細やダウンロードにつきましては,LINEみらい財団のリリースよりご確認ください。

 

書籍出版のお知らせ

 

2018/3/30に『行動改善を目指した情報モラル教育-ネット依存傾向の予防・改善-』を発刊いたしました。

ネット依存やネット依存傾向などのいわゆる「使いすぎ」は,情報モラル教育において,とても重要で深刻な問題です。
我々は,「自分は大丈夫」,「自分には関係ない」を問題意識として,どうすれば,「自分ももしかしたら…」という「自覚」を持たせることができるかという研究を行ってきました。「自分も使いすぎているかもしれない」という自覚を持たせることが,依存や依存傾向などの「使いすぎ」に関する指導の第一歩となります。

その上で,「使いすぎを厳しく管理する」,「ルールをきちんと守らせる」という他律的な指導ではなく,自分で工夫をしながら適切に使うことができるという「自律」を目指した指導についても研究を行ってきました。

いつか子どもたちは,教師や保護者の手を離れ,自立していきます。そこでは,自律的な行動,つまり自分で自分のネットやスマホの使い方を管理する力が求められます。こうした自律の力をどのように高めていくか,我々は「ルールの工夫」に着目して,研究がきちんと「行動改善」に結びついているかについても検証を行いました。意識を高めるだけでなく,きちんと行動に結びつくか,こうした視点を重視して研究を進めたことは,本研究の大きな特徴であると考えます。

ぜひご高覧いただければ幸いです。

学会発表のご報告

第32回日本教育工学会にてポスター発表を行いました

9月17日に大阪大学豊中キャンパスにて行われた第32回日本教育工学会でポスター発表を行いました。
発表内容は,「『リスクの見積もり』に着目した情報モラル授業の開発と評価-中学生のネットワーク上のコミュニケーションにおける行動変容を目指して-」というテーマで行わせていただきました。
本研究は,コミュニケーションにおける「これから起こるであろう結果の予測」について取り上げている教材の実践の成果について考察しており,LINE株式会社と開発している教材に関する内容です。
ポスターでは,幅広い分野の方からご意見を頂け,今後の研究課題や方向性について,再考することができました。

ポスター発表を聞きに来てくださった方,ご意見やご質問をくださった方々に改めて感謝申し上げます。
有難うございました。

研究成果が日本教育工学会論文誌に掲載

論文誌掲載のお知らせ

2014年よりLINE株式会社と取り組んでいる情報モラル教育の実践研究が
以下の論文誌にショートレターとして採録されました。

酒井郷平,塩田真吾,江口清貴(2016)「トラブルにつながる行動の自覚を促す情報モラル授業の開発と評価―中学生のネットワークにおけるコミュニケーションに着目して-」,日本教育工学会論文誌39巻(Suppl.),pp89-92