研究テーマ

1.初等教育を中心とした「情報モラル教育/教育の情報化」に関する調査・実践研究


 主に小学校や中学校を対象として,情報モラル教育,プログラミング教育などの「情報教育/教育の情報化」に関する調査研究や授業実践研究を行っています。特に,情報モラル教育に関しては,”トラブルの当事者としての自覚を促すことを目指した教材開発”や”子どもたちのネット利用行動のリスク認知に関する調査”を行ってきました。また,子どもたちに限らず,学校現場の先生方が効果的・効率的に情報教育を行う方法についても検討を行っています。

<主な関連業績>
・酒井郷平,塩田真吾,江口清貴(2016)「トラブルにつながる行動の自覚を促す情報モラル授業の開発と評価-中学生のネットワークにおけるコミュニケーションに着目して-」,『日本教育工学会論文誌39巻(Suppl.)』,日本教育工学会,pp.89-92,2016年2月
・酒井郷平,塩田真吾(2018)「中学生を対象としたインターネット依存傾向への自覚を促す情報モラル授業の開発と評価-子ども自身による『インターネット依存度合い表』の作成を通して-」,コンピュータ利用教育学会会誌『コンピュータ& エデュケーションVol.44』,コンピュータ利用教育学会,pp.42-47,2018年6月
・酒井郷平,塩田真吾(2018)「中学生のインターネット依存傾向の改善における『自律的な利用』の有効性に関する調査的研究」,コンピュータ利用教育学会会誌『コンピュータ&エデュケーションVol.45』,コンピュータ利用教育学会,pp.97-102,2018年12月
・酒井郷平,塩田真吾(2020)「中学生を対象としたLINEでのコミュニケーションにおけるリスク評価の分析」,『日本教育工学会論文誌43巻(Suppl.)』,日本教育工学会,pp.153-156,2020年2月

2.子どもの「モラル」と「行動変容」に関する調査・実践研究


 情報モラル教育から派生し,子どもの”モラルとは何か”,”モラルに関する行動を変容させるためにはどうすればよいか”についても関心を持っています。小中学校において「道徳」が教科化されることで,より一層,「何をどのように教えればよいか」が求められます。この問いに対して,これまでに学校現場を対象とした“「モラル」へのイメージに関する調査”を行いました。現在は,応用行動分析の知見を援用した「行動変容」を目指した実践研究について検討を行っています。

<主な関連業績>
・酒井郷平,田中奈津子,中村美智太郎(2018)「内容項目に基づく『道徳意識』に関する検討-教員養成段階の大学生に対する調査-」,『静岡大学教育実践総合センター紀要28』,静岡大学教育学部附属教育実践総合センター,pp.48-57,2018年3月
・酒井郷平,田中奈津子,中村美智太郎(2019)「大学生の道徳的規範意識と情報モラルの関連性の分析ー情報モラルへのイメージに関する自由記述を対象としてー」,『静岡大学教育実践総合センター紀要第29巻』,静岡大学教育学部附属教育実践総合センター,pp.37-46,2019年3月
・酒井郷平,田中奈津子,大島安紀子,中村美智太郎(2020)「教員と教員養成系大学生を対象とした中学生の行動基準要因への認識に関する調査的研究―考え,議論する『モラル教育』を実践できる教員の育成を目指して― 」,『静岡大学教育実践総合センター紀要第30巻』,静岡大学教育学部附属教育実践総合センター,pp.28-38,2020年3月

3.「現代的な課題」を教科横断的に指導するための教材・教育手法の開発


 情報教育に限らず,「キャリア教育」,「環境教育」など特定の教科のみでは指導することができない「現代的な課題」について,具体的な教材・教育手法の開発を通して検討を行っています。こうした教材・教育手法の開発を通じて,「現代的な課題」の“教科横断的な指導”や“総合的な学習の時間による指導”を目指していきたいと考えています。

<主な関連業績>
・酒井郷平・塩田真吾・柿沼明・国田晃・松枝伸明(2015)「『快適な住まい方』を学ぶボードゲーム教材の開発と実践-住宅メーカーと連携した家庭科での住環境教育の試み-」,日本環境教育学会第26回大会,p221,2015年7月
・山﨑保寿・酒井郷平・田中奈津子・中村美智太郎・島田桂吾・三ツ谷三善(2016)「アウトリーチ型キャリア教育の実践に関する研究―出張講座を通じた学校と地域の連携を推進する授業実践の検証―」,『静岡大学教育研究第12号』,静岡大学大学教育センター,pp.25-37,2016年3月
・酒井郷平・塩田真吾(2018)「生命保険を題材とした大学生のメディア・リテラシー教育に関する実践的研究」,『生命保険論集第205号』,公益財団法人生命保険文化センター,pp.147-176,2018年12月
・山﨑保寿・酒井郷平(2018)「我が国の教育課程における情報モラル教育の必要性 -小中学校の『総合的な学習の時間』における情報モラル教育の位置づけ-」,『静岡大学教育実践総合センター紀要28巻』,静岡大学教育学部附属教育実践総合センター ,pp.232-239,2018年3月